キトサンの歴史

キチンという成分名は、ギリシャ語で「封筒」の意味を持つ言葉であり、フランスの科学者が名付けました。
1970年代にアメリカで始まった「未利用生物資源の活用」のひとつとして、キチン・キトサンが注目されるようになり、1980年代に入ると、日本でもキチン・キトサンに関する研究が進められるようになりました。 カニやエビなどの甲殻類を加工品として中身を利用した後に、残った殻を有効に使う方法が研究され、その中で、キチン・キトサンの価値が認められるようになったのです。
日本では、農林水産省が研究開始し利用価値があると報告、その後、文部省に移管されて国の助成金60億円を導入し、
1982年から全国の13大学研究所で研究がスタート(鳥取大学・愛媛大学など)したのです。
キチン・キトサンに関するメカニズムの基礎研究が行われ、数々の研究成果が発表されています。

以後、キチン・キトサンは、畜産や漁業用の餌料、殺虫・殺菌剤、汚水処理、医療用の人工皮膚、手術用の縫合糸など、広い分野で利用されています。
特に、キチン・キトサンは人間の細胞となじみが良く、皮膚の病気の治癒効果が高いため、医療分野において欠かせない存在となっています。

キトサンこぼれ話
現在では様々な分野で欠かせない素材となっているキチン・キトサンですが、その働きは古くから人々に利用されていました。
中国の明の時代に記された漢方薬の「本草綱目(ほんぞうこうもく)」という書物において、「腫れものやできものにカニの殻の粉が利用されていた」という記述があります。
中国の歴史の中で漢方として古くから認められている素材なのです。

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